SDGs1×NPO法人ACE 貧困をなくそう
- ssmmhhjinken
- 2021年9月21日
- 読了時間: 10分
更新日:2021年9月25日

こんにちは!東京在住の高校三年生です。
突然ですが、東南アジアのリゾート地に旅行に行ったときに小さな子供たちからお金を求められたことってありませんか?僕は小学校2年生の時、セブ島でトゥクトゥクに乗って、繁華街に出た時に同年代の子どもたちから「マニー、マニー」と言われたことがあります。裕福な日本人が観光に来た際に、とりあえず話しかけてみるというのはよくあることだそうです。

現地の子どもたちにとってお金を乞うことはある種の仕事であり、家族の生活を支えるためにしなくてはならないことなのです。中には親が子供の腕をわざと切断したり、失明させたりして、お金をもらえる確率をあげようとしている人もいます。
こういった現状に猛烈な危機感を感じた僕は、児童労働という分野に大きな興味を持ちました。発展途上国、そして先進国の子どもたちも、物乞いの他、低賃金での重労働、売春、ドラッグの売買を行う働き手として利用されてしまっています。
こういった問題に対して私たちができることを、この記事で紹介していきたいと思います。
まずは、基本的な知識を確認しましょう。
SDGs1のゴールって何?
・極度の貧困を終らせる
・(各国の定義での)貧困状態にある人の割合を半減させる
・貧困層・脆弱層の人々を保護する
・基礎的サービスへのアクセス、財産の所有・管理の権利、金融サービスや経済的資源の平
等な権利を確保する
・貧困層・脆弱層の人々の強靭性を構築する
・開発途上国の貧困対策に、様々な資源を動員する
・貧困撲滅への投資拡大を支援するために政策的枠組みを構築する
となっています。
⇒日本で暮らしていると見過ごしてしまいがちな問題だと改めて感じた。小学校、中学校の
授業でこういった話題に触れた記憶がない、もっと他の分野を重点的にやっていた気がする。先進国での教育の見直しが世界的な貧困への理解を可能にし、解決へと進めるかも。

発展途上国をはじめとして世界中の国々で貧困は大きな問題となっています。貧困によって起因する問題は数多くありますが、ここでは児童労働について紹介したいと思います。
児童労働とは?

~児童労働って何?~
・児童労働とは、義務教育を妨げる労働や法律で禁止されている18歳未満の危険・有害な労働のことを指します。世界には1億6千万人の子どもの、10人に1人が児童労働をしていると言われています。
⇒子どもの教育を妨げるような労働、子どもの健康的な発達を妨げる労働、子どもの心身に有害危険な労働、子どもを搾取する行為(強制的、自由を奪うなど)などが児童労働に値しますが、子どもの成長の度合いに見合い健全な成長を助ける労働は「子どもの仕事」とされ、児童労働とは区別されます。
~世界中で問題視される現状~
・児童労働は「国連の子どもの権利条約」や国際労働機関(ILO)の条約(138、182号)で禁止されており、これらの条約は、先進国・開発途上国を問わず、世界中の多くの国が批准し、国として守ることを約束しています。
⇒しかし、ユニセフ(国連児童基金)と国際労働機関(ILO)が発表した新しい報告書『児童労働:2020 年の世界推計、傾向と今後の課題(原題:Child Labour: Global estimates 2020, trends and the road forward)』は、児童労働に従事している子どもの数が過去4年間で840万人増加して世界で1億6,000万人に上り、さらに数百万人の子どもたちが新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響で新たに児童労働に従事させられるリスクに直面していると指摘しました。今後さらに増えていくことが予想されています。
~児童労働の原因は?~
・児童労働の原因は様々ありますが、その根幹にある原因はやはり貧困でしょう。発展途上国の貧しい家庭では、子どもを労働力として考えないと生活できなくなってしまいます。子どもに頼るがあまり、人口爆発が起こったり、熟練労働者が育たなかったりと、貧困に直結するような問題が発生し、さらに貧困に陥ってしまうという悪循環が発生します。貧困を解決することが児童労働の解決につながるのは言うまでもないですが、貧困は一番難しい問題でもあり、アプローチの仕方を慎重に選ばざるを得ず、早急な対応をとることが困難です。
⇒児童労働の原因は私たちにもあるということを理解しておきましょう。というのも、私た ちが毎日使っているものの中には発展途上国の子どもたちの手によって作られたものが多くあるからです。例えば、嗜好品として多く消費されているタバコの原材料であるタバコ の葉はインドネシアなどで栽培され、私たちがタバコを消費する間に、タバコの葉の農園で働く子どもたちはタバコの葉と農薬に長時間触れ、ニコチン中毒の他、肺がんなどの重大な病気にかかってしまっています。その場所に定着している産業に依存しなければならない貧困国の現状がここでもわかりますね。我々の娯楽、便利さ、快適さと引き換えに子どもたちが労働に駆り出されていることをしっかりと知っておく必要があります。

貧困、そしてそれが原因となって引き起こされる児童労働について再確認できたと思います。自分もネットや本を読んだり、品川のユニセフハウスや市ヶ谷のJICAに訪れたりしてその現状を認識し、何か行動しようと思いました。

僕たちがそういった問題の解決に協力できる簡単な方法として「NPO法人に関わる」という
方法があります。募金してみるという初歩的なことから、ワークショップ・イベントに参加する、実際に行われている活動に参加してみる、インターンシップに参加するなどと幅広い協力ができます。こういった協力のためにも、まずはそのNPOについて詳しく知ることが大切です。今回は、自分なりに児童労働の廃止に取り組むNPO法人についてまとめてみたので、参考にしてみてください。
認定NPO法人ACE

皆さん一回はどこかで聞いたり、見たりしたことがあるのではないでしょうか。数々の名だたる賞を受賞し、日本の、児童労働廃止の先駆者となっています。まずは、「ACE」という団体が一体どういった団体なのか、簡潔にまとめてみました。
1.ACE とは?
ACE は、「子ども、若者が自らの意志で人生や社会を築くことができる世界をつくるために、子ども、若者の権利を奪う社会課題を解決する」ことをパーパス(団体の存在意義)に掲げ、児童労働の撤廃と予防に取り組む国際協力 NGO。2014 年にノーベル平和賞を受賞されたカイラシュ・サティヤルティさんが呼びかけ、世界 103 カ国で行われた「児童労働に反対するグローバルマーチ」を日本でも実施するため、1997 年に学生5人で設立。インドのコットン生産地とガーナのカカオ生産地で危険な労働から子どもたちを守り、日本で児童労働の問題を伝える啓発活動、政府や企業への提言活動、ネットワークやソーシャルビジネスを通じた児童労働を解決するための活動を行っている。

2.ACE が掲げる課題
「Action against Child Exploitation(意味:子どもの搾取に反対する行動)」が ACE という名前の由来でもあるように、「“働くこと”が嫌なのではなく、教育や自由など権利を奪われたり、精神的・経済的に搾取されることが嫌なんだ」という児童労働をしている子どもたちがいるという現状を問題視している。児童労働に対する強い危機意識を持っていて、世界的に取り組むべき課題であると明示。
3.ACE の活動
ACE は児童労働を解決するため、児童労働の約 7 割を占める農業分野に焦点を当て、 児童労働者がもっとも多いアジアと、働く子どもの割合がもっとも高いアフリカで活動をしている。モノを送ったり、井戸を掘ったり、カタチの見える「ハード」の支援も必要ですが、ACE は村人たちに教育の重要性や児童労働の危険性に気づいてもらう よう働きかけ、子どもの声を聞き、村全体で児童労働をなくす仕組みづくり、「ソフト」面の支援に取り組んでいる。インドやガーナで、村人たちに児童労働の危険性や教育の大切さに気づいてもらい、子どもたちの声を聞いて村全体で児童労働をなくし ていく仕組みづくりの手助けをしており、日本では、企業と協働して児童労働を生み 出さないビジネスづくりに取り組み、売上の一部が子どもたちの生活を支える支援になる寄付つき商品などの販売を行っている。
4.ACE の実績
ホームページを見ればわかるように、書ききれないほどの賞を受賞。 職員14名、インターン1名(2020 年 8 月時点) 正会員:102人 賛助会員:58名 法人賛助会員:44社・団体(2020年8月時点) 子どもの権利サポーター 502名(2020年8月時点)などと規模が大きい 。
5.ACE に協力できること
ホームページの至る所に資料請求をすることのできるボタンがある。実際に請求してみるのも面白そう。毎日の寄付で支援するという項目もありしっかりとしたフォームから送金できる。信頼度が高いのが魅力的。インターンでの参加、事務員としての参加ができる他、ACE の主催する出張講義に参加することもできる(学校、先生用のリンクがあり頻繁に開催しているのだろう)。
6.ACE の財務状況
ホームページを見てもらうのが速い。このレベルの団体になってくると年次報告とか年次計画を紹介するページのところがパンフレット みたいになっていて非常に見やすい。こういうところも団体の信頼に繋がってくるのだろう。
といった感じですかね。ACEの規模の大きさ、すごさが伝わったのではないでしょうか。
次に、ACEとの関わり方について詳しく見ていきましょう。
ACEの大きな特徴として、関わりやすさがあります。ホームページにも、「私たちにできること」という項目があり、ACEの活動に協力できることがずらーっと並んでいて、選択できるようになっています。募金をすることや、ACEの会員になること、イベントやボランティアに参加することや、チャリティーマラソンに参加することまで、幅広く用意されています。この規模の団体になると、安心して送金したり、連絡を取ったりすることができますよね。一度、何らかの形でACEに関わってみて、国際協力をすることができたことへの達成感や満足感を味わってみるのもいいかもしれません。

感想
さぁ、今回は貧困、そしてそれによって起因する児童労働、児童労働廃止に尽力するNPO「ACE」についてみていきました。皆さんはどのようなことを感じましたか?僕は、自分が過ごしている環境がいかに恵まれているのかを再認識しました。この問題に興味を持ったきっかけだった、セブ島への旅行。裕福な観光客と貧しい現地の人々という、真逆の存在のように見える両者が交流しているわけですが、世界の縮図のような構造があることに気付きました。観光客が使うようなホテルの周辺は、綺麗に整備され、リゾート地としての開発が進んでいる一方で、その範囲を出ると、現地の人々が住む民家が並び、世界的に見て「貧困」と言われるような現状が広がっています。現地の人々は、観光開発に左右される生活を送らざるを得ず、観光業と関わっていくことで生活が成り立つようになりました。裕福な観光客を中心に回っているこの構造は、近現代社会に見られる、裕福な国とそうでない国の従属構造を表しているように見えます。裕福な国に頼らざるを得ない、それが故に言いなりになってしまうというような現状が、こういった縮小した世界でも広がっているのですね。
SDGsのゴールについて自分なりに考えて、実際にリサーチしていく。その過程でNPOを見つけ、国際協力に関わることが身近なことなんだ、と気付く。面倒くさいように見えるかもしれないけど、このプロセスを踏んで、頭に定着させることで、持続的に国際協力をすることができるのです。
参考資料
ー認定NPO法人ACE
ーUNICEF
ーILO(国際労働機関)
ーHuman Rights Watch
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